ベルクカイザーL型(シュミット機) 作り方大公開☆

-THE FULLY COWLED MINI4WD LEGENDARY SERIES PART01:BERG KAISER TYPE-L-

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ゆっくり見たい方は下記へお進み下さいませ♪

皆様始めまして☆
当コンテンツは自称ミスターベルクカイザー(?)の『KEN』が担当させて頂きます☆
Twitter:@KEN_XTO

タイトルの通りですが、今回はベルクカイザーL型の製作について書いていこうと思います!

では、はじめに少々前置きを☆
お好きな方はご存知かと思いますが、ベルクカイザーは唯一無二の非対称デザインが特徴のマシン!
「爆走兄弟レッツ&ゴー!!」WGP編ではラスボスマシンとして有名で、ドイツのアイゼンヴォルフ一軍の使用機体でしたね☆
ミニ四駆3次ブームの現在でもプレミアムモデルや、プライズにて「ベルクカイザーフェンリル」が出る等、とても人気なマシンとして知られています。

ついでに少々豆知識です☆
このベルクカイザーについてですが、市販のベルクカイザーは全て右コックピット仕様になってます。
俗に「ミハエル機」「R型」等と呼ばれるタイプです。
「爆走兄弟レッツ&ゴー!!」の作中を見てみますと、原作版は全て右コックピットで、原作しかご存じない方は「L型って何?」となると思います。
一方、アニメ版ではベルクカイザー初登場からR型とL型が出てきます。
ファンの間ではL型は「シュミット機」「シュミット仕様」と呼ばれてます。
又、アニメ版のみ星馬 豪の「マグナムトルネード」のように「ツヴァイフリューゲル(二つの翼)」「ツヴァイラケーテ(二つのロケット)」と言った必殺技も存在します。

そんなベルクカイザーですが、様々な事情もあってか、2017年現在でも当時品から限定版ボディや現行品に至るまで全て市販品はR型しか売られていません。

その為、作らない限り、L型は存在しないので「幻のミニ四駆」の一つとしてマニアの間では知られています。
では、どうやって作るのか? そもそも作れるのか?
今回はそのベルクカイザーの反転形成方法を大公開します!

「どうせ機械反転では?」と思われるかもしれませんが、3Dスキャナーや3Dプリンターを使った機械反転じゃなくても手動で十分作れます☆
又、3Dプリンターでの形成は完璧ではありません。表面処理等、フィニッシングがある程度得意でないと高いクオリティで作る事は出来ません。
加えて、3Dは非常に高くつきます。ざっくりですが、3~5万は軽く飛びます。その上完璧でないとなればやめた方が良いでしょう。

そんなこんなで製作手順です!
あくまで、下記工程の全ては1つの例に過ぎませんが、L型を作りたいと思う方は参考にしてみては如何でしょうか?
おそらく1ヵ月ちょっとあれば出来上がると思いますよ♪

1.必要なもの

・ベルクカイザーR型1体
スーパー1シャーシ、スーパー2シャーシどちらでも可能です!
※当方は諸事情でスーパー1シャーシのもので製作を行っています。
ボディに特別違いは無く、スーパー1シャーシの当時品に付属のボディでもスーパー2シャーシに乗せる事が出来ますので後からシャーシ変更も可能です☆

POINT!!:比較用に2体あるとベストです☆

・プラ板
ミニ四駆と言えばタミヤさん!という事で、タミヤのプラ板セットがお勧めです☆
サイズ:縦300mm×横120mm。0.3mm厚2枚、0.5mm厚2枚、1.2mm厚1枚の合計5枚セットになってます。全て使いますのでこれ一つあれば十分です☆

・瞬間接着剤
プラスチック用のアロンアルファー等でもOKです。使いやすいものを選ぶのが良いでしょう☆

・ラッカーパテ
ホワイトのラッカーパテです。
表面のくぼみやちょっとした小さい穴を埋める為に使用します。(表面処理用)

・ポリエステルパテ(ポリパテ)
盛ったり削ったりする際に使います。ラッカーパテと違い、ヒケが少ないのが特徴です☆

・エポキシパテ
大きく穴の開いた部分を埋めたり、ある程度形を作る事が出来ます☆ 造形においては一番需要の高い粘土状のパテです☆
固まると非常に硬いです。
※ウェーブのエポキシも非常に定評があります☆ どちらでも好きな方を選びましょう☆

・ヘラ
各種パテを盛る時や、エポキシパテが固まる前に形を調整したりするのに使用します。

・ペーパー
タミヤ製の400、600、1000のセットがお勧めです☆
400、600はかなり使用するので、別途余分に用意しても良いかと思います。

・マスキングテープ
幅の広いマスキングテープを使いましょう!
ホームセンターに束で沢山売ってます☆

・その他
必要に応じてデザインナイフ、Pカッター、ミニノコ、精密ヤスリも用意しましょう☆

以上! 結構多いですが、必要なものを必要な分だけ買い足して行けば余分な出費は抑えられます☆

2.作り方

始めにザックリと工程を説明していきます☆
STEP1:型紙を作成します。プリントアウトして両面テープでプラ板に貼り付けて切り出します。
STEP2:ボディーの右側(コックピット側)を切削し、1にて切り出したプラ板で左と対象の形へ組み立てていきます。
STEP3:左右の対象具合を確認した後、左のコックピット側を作っていきます。
STEP4:仕上げです。ディティールの調整やヒケ等の処理をして全体的に綺麗になれば完成です。

これが一連の流れです!
言うだけ簡単やるのは難しいと思うかもしれませんが、必要なのは丁寧さを心掛ける事と根気だけです。
器用かどうかは幾らでも修正出来るので考える必要は無いです☆

STEP1:「型紙の作成」

至って単純です。三角関数の計算や分度器は一切必要ありません。ある程度綺麗に型紙を作る事だけを意識します☆
先ずは、必要な部分を下記のように、マスキングテープでピッタリとボディへ貼り付け、ペンで形を丁寧になぞっていきます。
各面に1枚ずつ必要と思って下さい。

※残念ながら、デカールを型紙として使う事は出来ません。一部分だけ型取りが出来てもデカールでは型紙が足りないのでこの作業を省くことは不可能です。


注意:プラ板は折り曲げる事は考えないように! ほんの少し曲げる事は出来ますが、下記のように急角度な箇所は2枚使ってつなぎ目をパテで埋めてからヤスリで丸くして形を作ります☆
ですので、このような部分は角度が変わる毎に型を1枚ずつ取るようにしましょう☆

こんな感じです!↓↓

注意2:取った型は一度プリントアウトし、各辺の長さを定規やノギスで測り、誤差が大きくないかどうかボディーに型紙をあてがい確認しましょう!

POINT!!:取った型を一度スキャンして、PCにて線を綺麗に整えるのも一つの手です。

STEP2:「ボディ左の切削と切り出した型の反転接合」

※ボディの大部分は1.2mmのプラ板を使います☆

コックピットは後で一部分だけ使いますので、極力綺麗に切り抜きます。

次に、不要部分を必要最低限にとどめながら、切り出したパーツの接着も考えながら切削し、切り落とした表面は綺麗にヤスリがけします。

少々見ずらいですが、中央のインテーク下は胴体を接着するので、プラの厚み分を削っておきます。

次に、下記のように位置を確認しながら型の通りに切り出したプラ板を接着します。

ボディとの接着部分も調整すると下記のような感じになるかと☆

次に必要な部分も次々に型からプラ板を切り出して、瞬間接着剤で繋げていきます。

繋ぎ終えたら、一旦リヤインテーク部分の”側面”の形を整える為にエポキシパテを使って下記のようにします。

※↑上記方法ですと、少々面倒なので、プラ板を切り出して繋げた方が”楽”です。

形を整えるとこんな感じですね↓

ウイングを付ければもう左右対称のコックピット無しバージョンの出来上がりですね☆
ボルゾイアディーンみたいですね^^;

側面も作っていきます。多少複雑で、プラ板1枚では再現出来ません。なのでプラ板0.5mmも使って組み立てていきます。

ついでにケツの部分もディティールを確認し、整えます。

一通り出来ましたら、左右の対象具合を確認し、良ければ左のコックピット側を作る工程へ移行します!!

STEP3:「コックピット製作」

始めに切り出したコックピットは上面のみ使用します。
側面は形状が違う為、そのままでは使えません。そのまま使うとコックピットが歪んだように見えてしまうので要注意です!横着は厳禁☆

先ずは下記の上面部分を残し、側面は全て切り捨てます。
※型紙は側面部分のみあればOKです。
縦ラインの出っ張りも反転するので、ヤスリで削ってコックピットと同じ高さまで平らにします。

次に側面を型通りにプラ板から切り出して作り、上手く手で湾曲させて、接着剤で組み立てていきます。

側面内側のスジボリ部分と子窓は、掘るのではなく、0.2mmの薄いプラ板を同じ形に切り出して、穴を空けて上から重ねて表現します。

出来れば、もう一台素体のボディーがあるとこのように反転具合を比較して確認することが出来るので便利です☆

次に左のリヤインテークはもう要らないので切り落とします。

リヤインテークを切り落とすとボディが不安定になりリヤのカウルがブラブラしてしまうので、先ずはリヤ部分からプラ板を切り出して固めていきます。

次に、下記の斜めにカーブした部分を切り落とすのですが、その前に!?

一旦、側面部分を作ってバイパス接合を行ってから↑のカーブした部分を切り落とします。

STEP4:「コックピットの接合」

位置や角度がかなり難しいです! 適当にやってしまいますとコックピットが傾いてしまいます・・・
かなり慎重に位置を決めていきましょう。
又、上記までの組み立て方と同じように、プラ板で周りを作ってから、それを土台にコックピットを乗せた方が良いかもしれません。
下記はコックピット周りをエポキシパテで固めて、パテを削って形を成形していく方法です。
かなりのパワープレイです。

先ずは、上下・左右・前後のポジションを入念に確認して位置を定めて、裏からテープで固定し、瞬間接着剤で仮どめします。

次に、エポキシパテで隙間を丁寧に埋めながら、同時に形をヘラやスパチュラで整えていきます。

更に、ディティールを確認しながら、エポキシパテやポリパテも使ってどんどん形を成形すると同時に修正もします。

STEP5:「ディティールの調整とその他修正」

ここまで出来たら、全体的にディティールを確認し、修正が必要な部分はとことん修正を加えて「大体OK」な具合になったところで、下記のような感じになります。

STEP6:「サフ → 表面確認 → 修正 の繰り返し」

つぎはぎだらけな上に表面の傷やヒケ等が確認し難いので一旦サフを噴きます。

これで乾いたら、表面を入念に確認して、修正する部分はラッカーパテやポリパテを盛って、乾いたらヤスリで削って細かく修正したり等をして、再びサフを噴いてチェック!
ひたすらこれを繰り返します。
かなり地獄ですが、綺麗に仕上げたい方は避けて通れない道です。

STEP7:「完成」

修正に修正を重ねて出来たボディを元のR型と比べてみましょう☆
良ければ、塗装するなり、付属のデカールをスキャンして反転して、プリンタブルのシール用紙に印刷して貼り付ける等すればL型ベルクカイザーの完成です☆

————–ここからは番外編です。—————-

真にベルクカイザー好きな方の為に更なる製作工程をご紹介します☆
下記のように、設定資料を観てみますと、ベルクカイザーの裏側が見えます。
表面はスーパー1シャーシのようですが、少々形が違ってますね。

そこで、スーパー1シャーシを大改造して再現してみましょう☆
先ずは後方部分から切削しつつプラ板を貼り付けていきます。
下記のようにギアが収められているので、設定資料の通りに作るとギアが入らなくなり、ミニ四駆として走らないものになってしまいます。
きっと、この部分はデザイナーも考えていなかったものと思われます・・・^^;

ですので、ギアが見えるギリギリの範囲まで削り落として調整した後、限界までの長さを図って斜角をつけていきます。
先ずは軽く製図

からの切り出しです。
穴はバッテリー裏が2ミリ、後部が1ミリの太さにしています。

一旦シャーシに穴を空けて接着します。

不要部分を切削した後、エポキシパテで一気に形を整えていきます。
部分的にポリパテも使ってディティールを調整します。

出来上がりましたら設定資料と照らし合わせて確認!

サフを噴きます。

良い感じに仕上がります☆

お次はデカールデザインです!
作中では場面によって唐草模様の形が違い適当になってますが、設定資料を観ると唐草模様にある程度の法則があります。

又、L型はアニメオリジナルマシンです☆
デカールをスキャンして、L型専用に資料通りに描き直してしまいましょう!

プリントアウトして使えばアニメバージョンの完成です☆

更にこちらは個人的なオマケですが。。。、


サクッと適当にパッケージを作ってしまいました☆
NOT FOR SALE!!(売り物ではありません☆)

☆それでは完成品を見てみましょう☆

ツヴァイラケーテ!

ツヴァイフリューゲル!

ツヴァイラケーテ!前方アングル

ツヴァイフリューゲル!前方アングル

裏側の比較

以下、オマケ色々♪

以上!「KEN」のベルクカイザーL型の製作講座でした!!
如何でしたしょうか?
始めにお話しました通り、あくまで一つの作例に過ぎませんので、やりながら効率のいい方法を考えてみて下さい☆
非常に時間のかかる作業なので大変かと思いますが、やれば意外と出来てしまうものです☆

是非チャレンジしてみて下さい☆

◆◇最後にご注意です◇◆
記事を基にいい加減に作った粗悪品がオークションやフリマアプリ等で出品される可能性があります!
写真は撮り方や加工で何とでもなりますので、よくご利用なさる方は騙されないようお気を付けくださいませ☆